○ハリジニ編
「ね、いいだろ?ジニー。一口だけだから。」
「……ハリーが言うなら…。」
ジニーが恥ずかしそうに頬を髪の毛と同じ色に染め、そっと食べかけの肉まんを差し出す。ハリーは非常に幸福そうに微笑みながら、その白いふかふかの食物に顔を寄せて…後ろから首根っこを掴まれて引き戻された。
「ハリー!君って奴は、また…!性懲りもなく人の妹に…!!」
北風ならぬすぐ上の兄貴の登場に、ハリーが軽く舌打ちをする。
「なんだ、ロン。邪魔するなよ。」
「するに決まってるだろ。ジニーに悪い虫が付いたら僕兄貴達に殺されちまう。」
ロンの台詞に、ハリーががくっと肩を落とした。
「ねぇロン、それって親友に対する言葉?!」
「それとこれとは話が別だ!!ジニー、家族以外の男に親しくしちゃいけないって、いつも僕が言ってるだろう?!」
「でも、ハリーは…。」
「でももなにもない!一個の肉まんを二人で食べるなんて、何て破廉恥な!」
「君だっていつもハーマイオニーとクレープとかアイスクリームとかチョコレート・バーとか果てはベッドまで『二人で仲良く半分こ♪』してるじゃないか!」
「ベッドなんかいつ分け合ってたよ?!……っ、それにいいんだ僕は!ジニーより年上だから!」
「たった一歳だろ?!」
「一年も違うんだぜ??!」
親友同士は、何故かこの話になると一触即発。はらはらするジニーを余所に、二人は睨み合う。
僕の目が青いうちは許さないぞ!とハリーと妹の間に憤然と立ちはだかる赤毛の親友に、ハリーは暫く考え込んだ後、にやぁと笑った。
「…じゃ、仕方がない。ジニー、僕んちにお嫁においで。」
「…え!」
「な、なななな、何を言い出すんだよハリー!!!」
「えー、だってロンが家族以外駄目だっていうからー、家族になるにはもうロンと姻戚になるしかないしー。」
「ハリー!冗談が過ぎるぞ!!」
「ヨロシクネ、ロンお兄ちゃん!」
「…っ!!!」
言い争う二人の前で、刺激が強すぎて硬直したまま頭から湯気を出すジニーとは対照に、肉まんはどんどん冷えていったのだった。
―――MISSION FAILED.
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