○ハリドラ編
「…全部やる。」
食べる気を無くしたようにばふっと肉まんを押しつけるドラコに、ハリーは苦笑した。
「いいよ、一口だけでいいんだもん。」
「遠慮するな。足りないんだろ?欠食児童。」
ドラコがにやりと笑い、ハリーは暫くそれを見つめて、首を振った。
「お馬鹿。」
「なっ!」
「男心が分かってないねぇ。」
「だだ、誰が!僕は男だぞ?」
ビコーズ僕の心自体が男心だろうがユーノウ?と言わんばかりの剣幕の白金の髪の少年に、イイや全然鈍ちんだね、ロンとホグワーツを二分するんじゃない?とハリーが肩をすくめる。
「なな、ロン以下だと?!」
「イヤそこまで言ってないから。」
「当たり前だ!あのデリケートとバリケードが一緒くたになった赤毛と一緒にするな!」
「いやいやアレで居てロンも結構繊細な所があってね?」
「聞いてない!」
「そりゃそうだ。」
高々肉まん一つで男心談義に発展する言い合いに、ハリーが苦笑する。その後、おもむろにドラコの顔を覗き込みながら、告げた。
「僕、さっきご飯は食べたとこだもん。」
―――「君が食べてる」ものを食べることに意味があるんだよ、鈍いなぁ。
苦笑され、ドラコがカッと赤くなる。
「おお、お前は…!」
「ん?切ない男心を理解した?」
「するか!ロンレベルで十分だッッッッ!!!」
叫ぶドラコを後目に、ハリーは押しつけられた肉まんのドラコ既食部分を囓った後、ふわんと笑った。
「美味しいよぉ。ドラコ。」
「!!!!!バッ、馬鹿者!!!」
ぎゃんぎゃんと叫ぶドラコに苦笑しつつハリーは「あ。」と驚いた顔をし。
つられて固まったドラコの開いた口に、残りの肉まんを押し込んだ。
「んっ?!むんっっ!!!」
「じゃ、御馳走様でした。」
語尾にハートマークを飛び散らせて投げキッスなどかましつつそそくさ消えるグリフィンドールのシーカーの背後に、激怒したスリザリンのシーカーによる見事な放物線の肉まんチョップが激突した。
―――MISSION COMPLETE.
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