○ロンドラ編
「……何故?」
呆気に取られたように、ドラコがロンに聞き返した。
ロンがいいじゃん、と苦笑する。
「他人が食べてると、美味しそうに見えるんだよ。」
そのまま気にも留めた風はなく、固まったままのドラコの肉まんに顔を伸ばすとぱくん、と囓った。
「…ごっそさん。あ、でも僕中身は本当は椎茸入ってない方がいいなー。」
天真爛漫に相伴した他人の食べ物に文句を付ける赤毛の少年に、ドラコは思わず笑みを漏らした。
「コンビーフを詰めてやる。」
「良く知ってるね、僕の嫌いなもの……。」
呆れた、と首を振るロンに、ドラコは僅かに動揺した。
「それは……」
「ん?」
ロンの深青の瞳が、真っ直ぐにドラコを捉える。
「ドラコ!!ちち、ちょーっと待ったぁ!!」
「ロン!!ロンってば!血迷わないで!!」
そこへ、何故か血相を変えたハリーとハーマイオニーが息せき切って飛び込んで来た。
ハリーはドラコの、ハーマイオニーはロンの腕をそれぞれ抱え、引きつったような笑顔を浮かべながら告げる。
「ねぇ、ドラコ。中庭に珍しい薬草が咲いているのを見たんだ、ちょっと見てくれないかなぁ?」
「ロン、一緒に宿題するって言ってたでしょ?早く図書室行きましょ?!」
言いながら、ドラコとロンの腕を掴んでそれぞれ反対方向へ引きずっていく。
「え、あ、ちょっと…。」
「何なんだ?一体??」
引き離されたモンターギュとキャピレットならぬウィーズリー家とマルフォイ家のロミオとジュリエットは、不可解だ、という視線をお互いに交わしながら。
―――緩やかに擦れ合う感情を覚え始めた。
―――MISSION COMPLETE...?
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