○ハリハー編

「いいわよ?」

 いいながら、ハーマイオニーはおもむろに肉まんを二つに割り、
「はい。」
 と大きい方を彼に差しだした。

 ハリーは暫くそれを見つめた後、
「…君、ワザと?」
 と苦笑しながら、彼女が自分のために残した方の肉まんをその腕ごと引き寄せた。
「きゃあ!」

 ぱくん、と彼女の囓りかけの肉まんを食べ、満足げに微笑むハリーに、赤い顔のままハーマイオニーが抗議する。

「なんでわざわざこっちに遠征するの?!貴方のを作ってあげたのに!」
「んー、だってこっちの方が美味しそうだったんだもん。」

 ほえほえ笑いながら残りのも食べようと口を近づけるハリーに、この確信犯!とハーマイオニーが天を仰ぐ。

「食べちゃダメなほうが絶対美味しそうなんだよね。」
「いつかお腹壊すから、貴方。」
「君なら食あたりも大歓迎だよ。」

 言いながらハリーは、肉まんを食べ終えても離さなかったその手の平の指を。

 ぺろりと舐めた。

「き、きゃああああ?!」
 ハーマイオニーが慌てて振り解く。

「何!するのよ!!」
「ん。いやいや具が付いてたから。」

 勿体ないじゃない?と微笑みを絶やさない悪党面の少年に、ハーマイオニーは頭を抱えた。

「もう、貴方には絶対肉まんなんか薦めないから。」

「イヤ?僕べつにこっちの肉まんでも、いいんだけど。」

 柔らかそうだし?と彼女の胸の辺りを指さしてにやりと笑うセクハラ少年の顔面に、静かに少女のナックルパンチが激突した。

―――WOW! MISSION FULL COMPLETED!!(「どこがよ!」)



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