○ドラハー編


 呟いてしまったあと、自分でも信じられないように、少年は首を振った。

「い、今のは無しだグレンジャー!!何故、何故僕が!!貴様になど食べ物をねだらなくては…!」
 呆気に取られていたハーマイオニーが、一瞬にしてむっとした表情になる。

「知らないわよ!貴方の方から言ってきたのに…そんなんならいいわ、あげないから。」
「ああ、僕だって貴様の食いかけのものなど、誰が…!」

 穢れた血が感染る!!

 言った瞬間、頬が鳴った。

「謝らないから!」

 ひっぱたいた手を引っ込めようともせず、ハーマイオニーが彼を睨む。

 ドラコも何も言わず。じっと、傷ついたような彼女を見返していた。……やがて、ハーマイオニーはふぅ、と軽くため息をついて首を振った。

「全く、貴方はロン以上に意地っ張りで言葉が足りないわね……ホント、通訳が必要だわ。」

 その沈黙は謝罪と受け取っておくわね、とハーマイオニーは苦笑して、落ちて泥だらけになった肉まんを拾って歩き去った。

 一人残されたドラコは、悔しそうに呟いた。

「…クソ、僕はウィーズリー以下か…。」

 彼女に対しては何故かいつも衝動的にしか行動できない自分に、ドラコは自嘲の溜息をもらした。


―――MISSION FAILED.



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