○刹那・F・セイエイ編


 貴様にホワイトデーを返すミッションの為に来た、と黒髪に紅茶色の瞳の青年は言った。

「少年、君が?」
「ああ、一月前にここで、お前からチョコレートの大きな箱を貰った。その礼だ」

 構わない、とグラハムは言おうとした、言おうとしたのだ。だが、言うより先に刹那が遮る。

「ニール・ディランディに、貰った好意はきちんと返すものだと教えられた」
「なんと、ならば受け取らざるを得まい……私に何を用意してくれたのだ、少年」

 刹那は低い声で短く言いながら踵を返す。

「ガンダムだ」
「なんだと?」
「貴様の望みは、ガンダムとの手加減無しの手合わせだと聞いている。……存分に相手をしよう」
「少年……それは本当か、少年!!!!」

 男に二言はない、と連れてきていたらしいダブルオーライザーの光学迷彩を解除する刹那を好戦的な目つきで眺めつつ、グラハムはビリーに電話をして、ブレイヴの用意を頼むのであった。

 その脳裏から、ホワイトデーのことなど綺麗さっぱり消えていたのは言うまでもない。


―――MISSION FAILED.



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