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グラニルリレー:4

さがみさんの絵(http://blog-imgs-53.fc2.com/l/i/a/liarsgn/20120829235350100.jpg)※こちらも18禁です
よりの連想、グラハムのターンで18禁。

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 随分と煽ってくれるものだ。昨夜は、酷くしてしまったから、こちらは少々どころでなく気まずい罪悪感を抱いているというのに。
 声なんか、まだ掠れているじゃないか。
 一生懸命、獣の触れ合いのように無心にじゃれてくるニールは、私とのこの先を望んでいるような、躊躇っているような、そんな雰囲気に思えた。
 噛まれて、口付けられて、引っかかれて、舐められて。
 好きだ、好きだ、と肌を摺り合わせる度に心の奥底に響いてくるようだ。
 可愛らしいなどというものではない。
……強引に、奪われたいのか。最後は、私の方から手を出すことを望んでいるのか。
 ならばその希望を叶えようと、顎に噛み付いてきた肩を押して、虚を突かれたような表情のニールをベッドに沈み込ませ、荒々しく口付けを奪う。
 急に態度を変えた私に一瞬面食らったらしいニールが、直ぐに嬉しそうに首筋に腕を巻き付けてきた。
「まったく、……君は清廉な見かけの癖に、淫乱過ぎる身体をしている」
「仕方、ねえだろ。あんた専用だ」
 こういうの、好きだろ? 囁かれて、私は重々しく頷いた。
「君に関してのみ言わせて頂けば、最高だな」
「好き者が」
「君に言われたくはない」
 手短に言って、既に硬くなっているものを握り込んでやると、期待に満ちた声が甘く私を呼ぶのが聞こえた。

「……っふ、……ん、」
 あ、うあ、と漏れる声をシーツに顔を押しつけて必死に噛み殺している。
「そう、我慢しなくても構わないのに」
「……っせ、あ、……っあ、ん」
 こちらを振り返ろうとした瞬間に良いところに当たったのか、ニールは甘い呻き声を上げて再び突っ伏した。
 手には、先程破り捨てたばかりのスキンの袋が握り込まれている。あれでは掌に痕が付かないかと思うが、掌が緩む隙間はなさそうだった。
 ちらりと白いシーツの上に視線を落とすと、銀色のホイルの残骸があちらこちらに散らばっている。
 さっきニールが開封した、今使っているものが最後だった。……この間買いに行ったところだというのに、なんということ。
 この間の夜も、誘ってきたのはニールからだった。
 なあ、したいと言われたのでゴムが切れていると言った瞬間、立ち上がって疾風の様に部屋を出て行った。
 深夜だ。なにが、と呆然としている私が我に返る前に、部屋のドアがばたんと開いて、ニールが上着だけではなくその下のTシャツまで一緒に脱ぎ捨てながら、私の方に薄手のドラッグストアのビニル袋を放る。
 中身には、……君、これだけしか買って来なかったのか、と思わず呻いてしまった。
 しかも箱が一つ、二つ、……全部で五つ!
 流石に呆然としている私のネクタイを掴みながら、ニールが顔を寄せてくる。
「棚にあったの、適当に掴んでレジに持ってった」
 切羽詰まっているとき特有の蓮っ葉な口調でニールは言った。
 店員の姉ちゃん、激しいのね、アタシも一緒に持って帰って、って顔してたぜと私の表情を見たニールは笑う。
「……それは困るな、私は君の相手だけで忙しい」
「おい待て、なんでそこ、3Pって話になんだよ」
 あんたもほんと大概、と呟きかけた顎を掴んで、口付けながらベッドに沈めてやったのだから、よく覚えている。
 あれが、もうないのか、と半ば呆れるような思いでベッドの上の惨状を眺めていると、はやくしろ、とニールが急かしてきた。
「もう少しゆっくり楽しまないのかい?」
「って、……次は、ナマ、でやんだろ?」
 だからはやく、と煽るように言うニールに私はちょっとどころではない目眩を覚えながら、どうなっても知らんぞ、とだけ囁いて、耳元に齧り付いてやった。


........To be Continued !!
2012/08/29(Wed) 晴れ


グラニルリレー:3

さがみさんの絵(http://blog-imgs-53.fc2.com/l/i/a/liarsgn/20120828225907c0a.jpg)より。
こっから18禁のターンです、注意。

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 指先を噛むようにしながら喋ると、グラハムの顔は途端に困惑したような、それでいてどこかこの先を期待したようなものに変化した。
 わからなくも、ない。
 夕べは色々あったテンションで、碌な睦言も愛撫も抜きでベッドの中にもつれ込んでしまった。
 部屋にあったローションを全部使うくらいの勢いでいきなりあいつのもので慣らして貰った。……俺がそうしてくれと頼んだからだ。
 困った顔をしながらもあいつも直ぐに応えてくれたから、そのまま意識を飛ばすまで、抱き合って、一言でいうならヤリまくった。一晩中だ。
 その倦怠感を引きずって起きた朝に、あんな風な無防備なところ見せられたら。
……熾火のように身体の芯に残ってるものが、燻って当然だ、と、思わないか?

 ほんっと、順番が、逆だ。……あんなねちっこくセックスしといて、今更に前戯に立ち戻っている。
「……ニール、……その」
 困惑した顔なのは見なくても声だけで分かってる。頬が上気してんのなんかお互い様だ。
 俺があんたが欲しいのと同じくらい、あんただって俺を欲しがってくんなきゃ、不公平だろ?
 ぺちょ、と音がするくらいに舐め尽くした指先を見せ付ける様に口から引き抜く。
 いつもなら、ここまで唾液を絡めてぬかるませた指先は、そのまま俺の下半身に降りてくるのがセオリーだ。
 グラハムは、どこか困り果てたように、濡れたままの右手を見ている。
 その、俺のものであるシャツの襟元を掴んで、俺は囁いた。
「口、あけろ」
 引き込まれるように開いた口の中を、俺は自分の舌で犯すようにしながら濃厚なキスを仕掛けた。
 グラハムの舌はまだ戸惑っているのか動きが固い。
 置いて行くんじゃない、と言った側から俺の方がこいつを置き去りにしていて、少しおかしくなる。
「グラハム……」
 耳元に息を吹きかける、首筋を吸い上げて、痕を残す。
 抱いて欲しい、訳じゃない。
 ただあんたとこうやってじゃれあって触れ合って、過ごす時間が欲しいだけなんだ。
 ま。
 このまま抑え付けられてあんたのをもう一度ねじ込まれるのも、吝かじゃないけどな。
 



........To be Continued !!
2012/08/29(Wed) 晴れ


グラニルリレー:2

さらにさがみさんの絵(http://blog-imgs-53.fc2.com/l/i/a/liarsgn/201208282137429a4.jpg)から続く
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 驚いた顔をするニールは、普段のどこか大人びた雰囲気が嘘のように緩んでいて、青い瞳が零れそうに丸くなっている。
 指先が触れた口唇は少し腫れて熱を持っていて、昨夜少し無理をさせすぎたか、とほんの少し私の胸を後悔が刺した。
 まあ、仕方が無い。……昨日は、二人で初めて揃ってアイルランドの土地を踏んだ。
 彼の大切な人に紹介をさせて欲しい、とニールに告げられたからだ。
 緊張した私が連れて行かれたのは、予想に反して静かな墓地で。
 驚いて彼の方を振り向くと、ニールは静かに笑って、行くぞ、と私の手を取った。
 大きな木の下に、重厚な造りのケルト十字の墓があった。そこを目指して歩いて行くニールに、私は遅まきながら、やっとニールの「大切な人」という言い方を理解する。
 両親に、とか、家族に、とか。……普通はそういう言い方をするのではないかと、遅まきながら気がついたのだ。
 ニールは墓の前で足を止め、繋いでいた手に力を込めた。こういうとき、どういう表情をすればいいのか分からない私を先導するように、今日は報告があるんだ、と切り出す。
「……俺の、生涯のパートナーだ。……グラハム・エーカーっていうんだ」
「……」
 何か言葉を発していいものか、どうか。
「アイルランドはな、血族の結びつきを大事にするんだ」
 ニールは墓を見つめたまま話し始めた。ここは、彼の「家」の墓所なのだという。
「だから、あんたとのことが本気になったときに、紹介しなくちゃなって、考えてた……」
 それでは、この石造りの墓の中には、彼の祖霊が全て眠っているということなのか。
 遙かなる血脈の重みに微かな目眩を覚えた。……私は、家というものを、家族というものを持っていない。
 ニールの背負うものがどれほど途方もないものなのか、完全に分かってやれないのが不甲斐なくもあった。
 だからだろう、あんたからも挨拶しろよ、と言われて、私は息を吸い込んだ。
 心は、決まっていた。
「……初めてお目に掛かります、私は、ニール・ディランディを愛する、唯の一人の男です」
「……!?」
「あなた方の連綿と続く血の濃さには叶わないかもしれないが、彼を想う気持ちは、……負けはしません」
「グラハム……」
「見ていてください、必ずあなた方の眠る場所には、ニールを笑顔でお返しします」
「……ばか」
 こつ、と肩に当たるものがあって、驚いて振り向くと、ニールは私の肩に額を押し当てていた。
「ニール?」
「……あのな、俺はここにお別れの挨拶に来たの」
「別れ?」
「この、鈍感男。お前の墓に入ってやろうかっていってんだよ、イヤなら止めるぞ!」
 言うと同時に、口唇が塞がれて、こんなある意味観衆の面前でいいのだろうか、と思いつつも私もニールの身体を強く抱き締めた。
「……愛してる」
 その台詞は、先にどちらの口唇から零れたのか。

 そんな幸福な記憶の回想からようやく現実に戻ってきた私は、ニールの口を塞いだままだった事に気付いた。
「ニール」
「……」
「もう、話してもいいよ」
「……」
 そうか、と小さく呟いて、ニールはお早う、と私に向かって穏やかな笑みを向けてくれた。
 満ち足りた表情に、幸せを噛みしめる。
 これから先、この笑顔を、彼の幸せを守っていくのは私なのだと思うと、身が引き締まる想いがした。
 多分私は、厳しい表情になってしまっていたのだろう。
 急にぱくり、と指先を喰われて、ぎょっとして振り向く。
 ニールの口唇の中、もっと熱い咥内に私の指先が取り込まれていた。
「……あんた、なんか難しいこと、今考えてただろ」
 指先を舐めるようにしながら言われて、くすぐったさに身を竦める。
「ひとつだけ、言っておく」
 言われて、首を傾げる。
「……俺を、置いていくんじゃない」
 わかったか、と言いながら私の片手を取ってぎゅっと胸に引き寄せるニールに、私は胸が一杯になりながら、なんとか分かった、必ず、と返したのだった。
 



........To be Continued !!
2012/08/28(Tue) 晴れ


グラニルリレー:1

さがみさんの絵(http://blog-imgs-53.fc2.com/l/i/a/liarsgn/20120828174557b03.jpg)からの続き。

+++
 眩しい。
 酷く眩しくて目を覚ます。……瞼の裏が、まだ白く灼けている気がする。
 色素の薄い瞳が目映さに適応しなくて暫く瞬きをしていると、耳に甘い声が聞こえた。
「おはよう、姫」
 囁くような声がして、本格的に瞬きを繰り返し、目を覚ました。……瞬間に、心臓が止まる。
 眩しいのも当然だ。黄金の髪の毛を真っ白な枕に散らした男が、じっとこちらを覗き込んでいる。
 視線が合うと、エメラルドのような新緑の瞳が、潤むように熱を持って、細められる。
 ふわりとか、へにゃりとか。
 おおよそこの男の普段の姿を知る人間には考えられないような形容詞で飾られる類いの微笑みだ。
 いつものこいつと来たら、甘いマスクに凛々しい表情を浮かべ、ぴんと張った背筋が美しい、堂々たるモビルスーツパイロットなのに。
 なんかもう、頬がマシュマロかなんか、お菓子ででもできていやしないかと思う。
 なんだ、この可愛い生き物。
 可愛いつうーか、可愛い過ぎだろ。
 お前、これで俺より三つ年上とか、なんの冗談だ!!!
 着ているのはくしゃくしゃになった白いシャツだ。
 すこし大きめなのは、グラハムのサイズに合わせたものではないからだ。
……つまり、俺のだ。
 昨日は少し夜が冷えて、抱き合った汗が引いた後、お互い肌を寄せていてもひやりとしたので、ベッドの下に落ちていたそれを拾い上げて貸してやった。
 俺の方は体温の高めのこいつに抱かれて眠るので、あまり心配はしていなかったし。
 グラハムの着ていた方のは、遠くドアの前辺りで脱ぎ散らかされていたからだ。
 君の香りがする、と嬉しそうにどうせ洗濯するそれを羽織って、俺はグラハムと自分の香りに包まれて眠るというなかなか奇妙な経験をすることになったのだった。
 それが明けてみたら、こうだ。
 君の貸してくれたこのシャツのお陰で、昨夜は君の夢が見られた、などと幸せそうに言っていやがる。
 内心で吹き荒れる嵐をなんとか押し止め、俺は口を開こうとした。
 おはようでもなんでもいい、少し気が利いたことでも言えれば最高だが、こんな不意打ちを食らってしまったのではあまり望むべくもない。
 とりあえず、俺が声を掛ければ、こいつはもっと幸せそうな顔になるかもしれない、それならいいな、と思ったのだ。
 口唇を、薄く開いた。
 と、男の指先が伸びてきて、俺の唇に触れる。
 声を押し止められて、俺は困惑して瞬きをした。
 グラハムは、まだ半分夢の国にいるような浮ついたふわふわした声で、俺の名前を呼び、静かに、内緒話をするように、続けた。
「まだ暫く、……この幸せな夢の国に浸らせてくれ、姫」
 どっちが。
 どっちが姫だ。
 まったく、とため息をつきながら、俺は了承の証に、伸ばされた指先に恭しく口付けを落とした。
 くふふ、と子供のように笑うあんたの笑顔を、起き出す前に俺だってもう暫く堪能しても悪くはないな、と思ってしまったからだった。




........To be Continued !!
2012/08/28(Tue) 晴れ


TIGER&BUNNY S/O

 

 



 姿

 




 


 

 

 



 

 
 

 

 






 

 NG




 





2011/09/22(Thu) 晴れ


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Colorful Diary Falcon World