Impregnable Venus
-無敵のヴィーナス-

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「よーし、もう一球ー!」

 張り上げた声と共に返ってきたボールはパシッと乾いた音を立ててグラブに収まる。

 ふう、と軽く息をついて、三橋は面をつけてしゃがむ阿部に視線を戻した。

 次のサインはなんだろう。もう、結構投球数は多いのだが、ベンチに引っ込む気は更々ないまま、三橋はじっと阿部を見つめる。

―――阿部君がサインをくれる。それがオレにとって至福の時間のはじまり。

 見送りの三振はキモチーだろ、と阿部に言われて、言葉に詰まった。余りにその通りだったから。

 今までは、怯えながら自分の『場所』を守ることに精一杯で、そんなことにさえちゃんと気がついていなかったから。

 阿部と居れば、投げることだけに専念できる。無心に投げればいい。

 投げたボールが、キャッチャーに届く。こんなに嬉しいことはない。

「三橋!!」

―――ほら、阿部君がオレを呼ぶ。

―――オレに向けて、サインをくれる。

 すぅ、と三橋は息を吸い込んだ。くっと止める。阿部を信頼して投げるだけ、ただそれだけ。


 阿部君が捕ってくれれば、オレはダメピーじゃなくてホントのエースになれる。


 それは今のところ、三橋にとっての最強絶対無敵の呪文でもあった。







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+++END.

 

 

大神さんが描いてくれたのをむしり取るようにして貰ってきました(笑)
あまりの青さに通称「青い彗星」と呼ばれ始めた阿部君です(笑)
頑張ってその青さで一生懸命熱血に走り抜けて欲しいです。
三橋の首根っこ掴むのはデフォルトで(笑)

 

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