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「アムロ・・・・そろそろ起きたまえ。」
「う〜ん・・・わかってる・・・。」
そう声に出しながらゴソゴソと左右に体を揺らすさまは、子犬が自分の匂いを新しいシーツをひかれた寝床に擦りつけてるようだなとクワトロはクククっと声を殺し笑う。
「ホラ、もう少しで朝食の時間が終る。また艦長に嫌味を言われるではないか。」
手を伸ばし、アムロの額にかかる前髪をクワトロがかきあげる。
「・・・・・いらない。」
目を瞑ったままアムロがキュと眉を歪め寝返りをうち、顔を隠す。
「アムロ。」
肩を揺らす。
「・・・・・。」
モゾモゾとシーツに潜り込む。
そんなことを三回ほど繰り返しただろうか。
「・・・・では私は先に行くとしよう。二人して現れないとブライトのご機嫌を損ねることになるのでね。」
クワトロはゆるりと手を引きハァと溜息と吐くと、ベットを離れドアへと向かった。
「シャア・・・・・?」
その時になってやっとアムロは、そう自分のそばにあった温もりが去っていくことで目が覚めた。
自分の名前を呼ばれクワトロが振り向き、その頼りない声の主を見ると、シーツから顔を出し、飼い主が出かけて行くのを心細げに見送る子犬そのものに思え
「ったく。ペットなら『いい子のしておいで。』と置いていけるのに。早く用意をしたまえ。」
困ったものだと、でも嬉しそうに笑い腕を組んでドアにもたれかかり
”いや、子犬なら可愛がるだけ可愛がれば、尻尾をふって従順だろうに・・・・。”
そう心で呟いた。
「誰がペットだ!!自分だけ先に行こうとするなよ、また俺だけ朝食を食べ損ねたとなるとブライトが怒るだろう!」
バタバタと制服を着て、トットットっと靴を履くとアムロが澄ました顔でクワトロに近づき
「行こう!」
そう言って微笑むのを見て
「まるでセラピー犬だな。その笑顔を見るだけで心が癒される。」
思わず抱きしめた。
がその後数日、ぺットだの、犬だのと言われたアムロのご機嫌を損ねたことにクワトロは随分と手を焼くこととなったのは仕方がないことであるのか?
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+++END
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