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昔、今の自分と同い年の人間はもう途方もない大人に見えたものだが。
齢だけ幾ら重ねても、分別とか理性なんて未だ殆ど身に着いていない気がする。
ただ、我慢するのがちょっと上手になっただけだ。
というか、思春期の少女みたいにこんなことで全力疾走するか、あの鳶色の髪の毛の青年も。
問い詰めに来れば幾らでも説明するのに。
愉快でたまらない。笑ってしまうとアムロは怒って益々頑なになってしまうだろうが。
その時、アムロが右に曲がった。
では追い掛けて捕まえようと、駆け足のスピードを上げる。
同じように角を曲がってしまえば、突き当たりはゴール…アムロの部屋だ。
中に飛び込まれても、悠々とドアのロックを解除してしまえばいい。
今週のパスコードを頭に思い描きながらシャアは続いて角を曲がり。
そこで、急ブレーキを踏まされた。
「…ア、ムロ?!」
驚愕の声、ぶつかる身体。
角を曲がった途端、向こうで待ちかまえていたらしいアムロが腕の中に飛び込んできたのを避けきれるはずもなく。
たたらを踏んでシャアは急停止し、跳ね飛ばされるようにそのまま後ろに倒れ込んだ。
咄嗟にアムロを胸に抱え込んで受け身を取ったのはもう脊髄反射としか言いようがない。
二人して倒れ込んだ床の上、半身を起こそうとして適わないシャアの上に馬乗りになって、
アムロはぐいとその服の胸元を掴み上げた。
「いつもいつも同じパターンにはまると思うなよ!
いいか、俺は言えるぞ。俺はあなたが……。あなたのその、綺麗な顔が……!」
しかしそこまでで何かの支えが挫けたらしい。
肝心な言葉を言えずに俯いてしまうアムロに、シャアは助け船のつもりで口を開く。
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...to be continued.
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