想い想われ恋焦がれ |
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********** 「フラウ行ってくる!!」 「ちょっと待ちなさいアムロッ」 「あっ何するんだよ!」 終業のベルが鳴ると同時に席を立った僕の腕をフラウはがしりと掴んだ。 「放っておきなさいよ。もう終わった事じゃない」 「何が終わったものか」 「行ったって体良くあしらわれるのが分からないの?」 「そんなのやってみないと分からないじゃないか!!」 「もうっ、どうなっても知らないから!!」
「カミーユ、ジュドー」 僕の教室より2人の教室の方が玄関に近い。一足先に学校を出ていたのだろう。校門の外で親友のカミーユとジュドーが待っていた。 「遅いぞ」 「ごめん。フラウに捕まりそうになった」 「早く行こうぜ。じゃないと橋が上がっちまう」 ジュドーに急かされ僕らは土手の先にある橋に向かって走り出した。この時間帯は船の往来が多い。早く渡らないと船を通すために一度開口した橋は当分元に戻ってくれないのだ。 (そういえばカミーユも女の子の名前だってからかわれていたっけ) あの時の出来事を思い出した僕は傍らを走るカミーユを盗み見た。 「‥‥なんだよ」 じろりとにらみ返されて「なんでもない」と慌てて視線を逸らす。 「なあところで何を握りしめてるんだ?」 「ん?‥‥‥挑戦状」 「マジかよ!!って、実はラブレターだったりして」 口笛を吹いて冷やかすジュドーの頭をパシンと僕ははたいた。 「ジュドー茶化すなら帰れよ」 「わりぃ、わりぃ」 「おーい!!3人とも早くしてくれよ」 声がした方に視線を移すと橋を渡る人だかりに混じってキースが僕らに手を振っていた。その背後にはジオニズム大学の見るからに古そうな建造群が黒い連なりを作っている。それはまるで不吉な黒い翼だ。
「いつ見ても圧倒されるぜ」 ジュドーが感心したように呟く。 ああ、思い出したらやっぱり許せない!! あの日から僕は決心をしていた。 許せないあの男と今日こそ決着をつけてやる!! 僕らはカレッジに向かわず運河を横目にずんずんと川上に向かって歩き出した。大学といっても広大なそれは街を無尽に走る運河と同じですでに街と混じりあっている。どこまでが大学の敷地でどこからが街なのか、僕には見当もつかなかった。
「アムロ、なあこれって不法侵入だろ?」 「だったら?」 「いいのかなぁ。カレッジで呼び出してもらった方が──」 ああうるさい。ここにきてキースがごね出した。 「そんなこと出来るかよ。毎週この時間ならあいつは一人でこの店にいるんだ」 「毎週来てるからって今日いるかどうかわからないじゃないか」 その情報源はお前の友達のコウだぞ。それに僕だって確認済みだ。今日もいるのは間違いない。 「落ち着けキース。アムロ、俺とキースはここで見張ってるから先に行けよ」 ごねるキースに手こずっているとカミーユが助け舟を出してくれた。サンキュと僕はカミーユに礼を言うとジュドーと『木馬亭』の塀を乗り越えた。 「なあアムロ、さっきそれって挑戦状って言ったよな」 今はポケットに入っている封筒を指差す。 「‥‥‥そうだけど」 ジュドーがにやりと笑った。 「ほんとはラブレターだろ。正直に俺にだけ教えろよ」 「しつこいぞ(怒)」 僕とジュドーは壁伝いに中庭を目指した。
「‥‥‥」 ああどうしよう。 (いたっ) 途端に僕の心臓は悲鳴を上げた。 いけない‥‥。 今日はそんな状況から脱出したくて来たんじゃないのか?
「君は確か──」 「ア‥ムロ・レイです。覚えてないかも知れませんが‥‥‥ハロウィンパーティーに参加していたネェル・アーガマ校の」 見上げられる視線にどぎまぎとしながら名乗った僕に『ああ』とシャア・アズナブルはさほど驚かず答えた。 「知っているよ。良く覚えている。パーティの時私に突っかかってきていただろう」 「あれはっ」 さっきまでの僕の意気込みは消し飛んでいた。 「あの時は失礼したね。私達もからかいが過ぎた。謝りに行こうかと思っていたのだが、思いあぐねている間に時期を逃してしまった」 「そう‥‥ですか」 「それで私に受け取れと言う手に持っているそれはラブレターかな?」 「ち、ちがいます‥。あのっ‥‥」 その時シャアの指が伸びてきて僕の頬に触れた。咄嗟のことに抵抗も出来ずにいた僕にシャアはふっと微笑みを浮かべた。 (ああ‥‥‥) 僕の手紙は‥‥、初めは怒りに任せた抗議文のつもりだったのに修正していくうちにそれが挑戦状になっていつの間にかなんだかわけの分からないものになってしまった僕の手紙は‥‥。 「あのっ僕本当はっ」 と、その時、 「あらアムロ。ここでなにをしているの?」 「セイラ女史!?──どうしてここに??」 突然声をかけてきたのはセイラ女史だった。僕は慌ててシャアから飛び退いた。もしかして今の場面を見られてしまっただろうか。 「ロンデニオンに訪問の帰りよ。アムロはどうしてここにいるのかしら?」 「え‥と‥僕は」 なんて言い訳をしたら良いのだろう。そんな僕と女史の間にシャアが割って入った。 「私が招待したのさ。パーティの時少々失礼をしたのでね。忙しい所呼び出してすまなかったねアムロ君。改めてこちらからも伺わせてもらうよ」 動じない様子のシャアに頼もしさを感じて、僕はひそかに甘い溜息をついた。
足早に生け垣に潜っていくアムロを見送ると、ジュドーは素早くカミーユとキースに連絡を入れた。 「ばれてるんだけどな」 『そうそう』 『分かってないのはアムロだけだ』 隠しているつもりらしいがアムロの目の色を見れば一目瞭然だ。がつんと文句を言ってやるどころか、あのパーティー以来がつんと心を奪われているのはアムロの方だ。確かに最初は抗議を入れるつもりだったんだろう。しかし今じゃすっかり恋する少年の瞳だ。見ているこっちが恥ずかしくなるようなのぼせ具合だ。 『こういう場合友達としては応援するものかな?』 「うーん‥‥」 キースの言葉に長い長い沈黙が続いた。今の時代、同性だからという弊害は全くないがシャア・アズナブルという男はどうも胡散臭い。ひと癖もふた癖もありそうでこのままめでたしめでたしで締めて良いのかも分からない。しかしアムロを止められなかった以上、友の幸せを願う友人としては最後までつき合うしかないのだろう。 『なあ、パーティーの時のセイラ女史のあれ、怪しかったと思わないか』 カミーユの言葉に「お前もか」とモニタ越しに三人は顔を見合わせた。どうやら自分達は同じ疑問を抱えていたらしい。アムロがセイラ女史に憧れていたのを知っていてわざとシャアは突っかかるよう仕向けていた気がする。しかし今さらアムロにそれを話したところで彼は聞く耳持たないだろう。
「恋文だよ」 すかさず訂正する。 「そう」 「せめてキスぐらいは許して欲しかったものだな」 セイラの突然の介入に、アムロは逃げるように去ってしまった。セイラがここにいる理由まで気が回らなかったのは良かったが、もう少し話がしたかったとシャアは思った。 「私がいなかったらそれだけで済んだか怪しいものね。今の顔アムロに見せたいわ。デレッとしちゃって」 「いいだろう。私だってそういう時はある。言っておくがパーティーの時以外小細工はしてないよ」 妹にお忍びで会いにネェル・アーガマに行った時、栗毛の小柄な少年が目に焼き付いてしまった。 『シャア・アズナブル!!これを受け取って下さい!!』 「アルテイシア、今になって私の恋路の邪魔をしようというのではないだろうな?」 「まさか。許してなかったらアムロと会わせたりするものですか」 ただし、とセイラは付け加えた。 「私をだしに使うのは金輪際止めてもらうわよ。兄さん」
「どうだった」 「ばっちりさ。がつんと言ってやった」 興味津々早速成果を聞いてくるキースに僕はにやりと笑ってみせた。実はまだ心臓はバクバクしていてそれどころじゃなかったけれど、もちろんこのことは秘密だ。 「ふうん」 「あ、カミーユは疑ってるのか」 「いや、決着がついたならいいじゃないか」 「そうそう、終わった事は深く考えないってね」 「なんかみんな突っかかる言い方だなぁ」 でもまあいいか。 **********
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裏で250を取った雨野とりせ様のリクエスト --------------------------------------------------- 笹螺尚さんのサイトで、裏250HITを踏んで頂きましたvお話は表仕様でv(笑) もうね、アムロが可愛い可愛い!!(笑)めちゃバレバレ!! カミーユやジュドーにまでラブレターだって突っ込まれてるのに挑戦状だの抗議文だの・・・ かーわーいーいー!(笑)アムロ可愛い!! シャアも一目惚れして妹ダシにしてお膳立てするって話ですよ!!! 多分、茂みからひょこひょこ見え隠れするアムロの頭にシャアの口元は果てしなく緩んでいたと思われます(笑) 笹螺さん、本当に有難う御座いました〜〜v |