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”あたしはパパが欲しいの。”
でも、そんなお願いを聞いてくれる人は今まで一人も居なかったわ。
ねぇ、贅沢なことを言っているかしら?
あたしのパパは、あたしに無関心じゃないの。
ママよりあたしより、若い女の愛人がいいなんて、絶対に言わないの。
あたしが友達と遊び歩いても、ウルサイこと言わない。
大体、パパが遊んでくれたなら、あたしは友達となんて出かけないわ。
何度も、理想のパパは見つけたの。でも、パパになって、ってお願いしても、ダメだったの。
『私は君の父親ではない』
金色の髪の神官はそう言ったわ。悟り済ました顔で、自分は神に仕える身だって。
『君の本当の父親の元に戻りなさい』
黒い髪の毛の賢者にはそう言われた。
ねぇ、なんで?どうして?あたしはただ、理想のパパが欲しいのに。
子供が親を選んじゃいけないって、誰が決めたのよ、くっだらない。
パパが欲しいだけ、あたしだけのパパが。
「クェス、どうしてそんなにパパが欲しいの?」
「そうだよ、俺達が居ればいいだろ?」
今、一緒に旅をしているハサウェイとギュネイはそんな風に言ってくれているけど、そうじゃない。
分かってないのね、男の子は。
女の子は、寂しがりな生き物なのよ。独りじゃ、生きていってもつまらないの。
あんた達はすぐに大人になって、年を取って死んでいくわ。
でも、あたしは死なないの。死ねないの。エルフだから。
だから、あたしは決めたの。パパを捜して、パパとずっと一緒にいようって。
恋人は恋じゃなくなったら終わりだけど、『家族』ならずーっと居られるでしょ?
ねぇ、パパ。あたしのパパ。―――いったい、どこにいるのかしら?
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...end.
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