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007:やわらかい風を浴びながら
歩き出すと、君は黙って着いてきた。
目を上げると、人工の天球の空がとても美しく見えた。さぁ、どこへ行こうと考えて、ふと思い出した。
「そういえば、アムロ」
「なんだよ」
不機嫌そうな声で返事を返してくる。彼自身、まだどうしていいのかを本当には決めかねているようにも思えた。
「うん、君が終わらせてくれないなら、終わりというものを二人で見に行かないか」
「終わり?」
不審そうに問い返してくるアムロに、シャアは頷いた。
「そう、終わり。そうだな、海に沈む夕陽なんてどうだ。ロマンティックじゃないか」
「海に沈む、……」
「海に行こう、アムロ」
精々気障に良いながら手を差し出すと、相手は呆れ果てたように忙しない瞬きをした。
終わらせることを惜しまれた、それでも手放すしかない想いは、ゆっくりと歩き始めた。
やわらかい風を浴びながら、その結実へ、もしくは終焉へ向かって。
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+++END
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