恋唄100題

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004:ひそやかに、ひそやかに



「俺は、終わらせてなんか、やらないよ」

 たったそれだけの言葉を押し出すのに、どれほどの勇気が必要だったか、あなたは知るまい。

 君を愛おしいと、万感の想いを込めて贈られた言葉を俺は惜しんだ。

 純粋な男の紡いだ純粋な言葉を希有なものだと惜しんでしまった。

 此程真っ直ぐに与えられた愛しさなど、未だ嘗て俺は受け止めたことがなく。

 その言の葉の響きに魂を揺さぶられ、儚く消え去ることを厭い、掌で掬い上げようとした。

 後のことなど考えもせずに。

 シャアの方は、驚いたというよりは、困ったような顔をして、そうか、と言った。

「君が終わらせてはくれないのか」

 きっと断ち切られることを望んでいただろうに、それでも何故かシャアの奴はひどくホッとしたような顔をしていた。

 そこで困ってくれないと、俺が困る。

 どちらも終わらせることができないのなら、終わらせたくないのなら、続けていくしかないのだろうか。―――続くのだろうか、仄かに灯ったこんな儚い想いの灯火が。

 それでも許されることなら、もしも許されることなら、続けばいい。

 こんな綺麗なものを貰ったのは初めてだから、もう暫く自分のものにしておきたいから、留めることを願った。

 決して消えることがないように、と。

 ひそやかに、ひそやかに、そう願った。






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+++END

 

 

それで?っていう。

 

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