水の星へ愛を込めて

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10:この場所より永遠に



 刻が止まったのを感じた。戦場の中、煌めく戦火が星屑のように視界に映る。

 あの光の全てで、命のやり取りが行われており、宇宙に散っていく人々の魂がある。

「……刹那」

 エクシアが必死でこちらに近付いてきているのは分かっていた。分かっていたけれど。

 時間の進みが、やけにゆっくりに感じられた。もう、苦しさもなければ痛みも感じない。

 目の前で展開される、壮絶な戦いの縮図。その遙か彼方には、青い星。

 ああ、と口唇から感嘆の吐息が零れた。……なあ、なんて心を打つのだろう。この醜くも美しい世界は。

 口の端が知らず持ち上がる。

 地球。……青く眠る水の星。

 母なる星だと習ったのは、エレメンタリースクールでのことだった。母ならば、護られているだけでは嫌だ、護るのだと幼心に誓った。

 手が届かないくらい大きいと思って居た世界は、星は。手を伸ばすと、掴み取れそうだった。

 ふと、あの地球で別れてきた金色の男も、この宇宙に、戦場にいるのだろうかと思った。……そして、首を振る。

 どうでもいいじゃないか。俺はここに辿り着いた。

 ニールの本質は闘士だ。戦い続ける、これからだって。例え魂だけになったとしても。

(それでも、出会った瞬間に、確かに世界は一度止まったんだ。……ロマンティックだってあんたは笑うかい?)

 止まった世界を、しかし再び動かし始めたのは紛れもないロックオンの意思だった。

 休息の場所など、慰めの腕など不要だと、魂で吼えて。

「俺は、……嫌だね」

 心を誰かに預け、立ち止まって安寧を手にする事など、真っ平だ。

 あんただけのもので居てあげられなくてごめんと言いたかったが、お互い様だとあっさり言い返されそうだった。

 または、謝ることではない、と。いや、闘士ならば謝るなと叱られるだろうか。

(俺は、俺にしかなれないから……狙い、撃つ、ぜ)

 人類が歩みを止めるというのならば、その背後を、足下を狙い撃って先へと誘おう。

 そして、いつまでも問いかけ続ける。お前ら、満足か、こんな世界でと。

 この場所から、永遠に。



 






>>>END.



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ラストはこの曲で。そしてこの場面で。

 

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