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うわぁ、反則だ、というのがそれを見たときの俺の一番の正直な感想だった。
「アムロ?入らないのか?私はあがったぞ」
言いながら軽くタオルで濡れて腰のなくなった金髪を拭いながら言ってくれる。
いつもだったらなんだ真っ赤なガウンなんか羽織りやがって決めすぎだくらいの嫌味は言ってやるのだが。
ごくりと喉が鳴った。唾を飲み込んだのだ、と一瞬遅れて自覚した。
そんな俺の挙動不審を知ってか知らずか、シャアは鏡の前に立ってゆっくりと髪の毛なんか掻き上げている。
落ちかかって傷を隠すぺたりと貼り付く髪を手櫛で後ろに撫で付けてしまうと、秀でた額が現れる。
俺の刻み込んだ、古い傷跡も。
ああ、本当に。
反則だ、と小さく呟いたのが聞こえたのか、シャアがこちらを向いた。
「なにが反則なのかね?バスルームならちゃんと空けた……」
次の瞬間、シャワーを浴びるのなんか待てるかとばかりに俺はドハデに真っ赤なバスローブの前を掴んで男に口付けていた。
目を閉じた俺の頬にも、雨に似た水滴が一つ二つ落ちかかって濡らして、雫が顎に伝い落ちる前に。
思い切り、抱き締められた。
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...end.
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