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※世界はSRW設定です。
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"Cogito, ergo sum"
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+V+
「で?一体元はといえばどうしてこんな事になったのだ?」
ガトーがそれなりに友好的に話を始めた三人を横目で見ながら残りのクルーを見渡した。
モードは既にジオン軍少佐からご近所の雷オヤジに切り替わっている。鋭い眼光で睨み据えられ、心当たりが有る者もない者も揃って首を竦めた。
更に雷槌のような一喝が皆の上に響き渡る。
「心当たりの有るものは正直に名乗り出ろ!真面目に名乗り出て罪を償うなら悪いようにはせん!」
嘘つき、と流石にコウでさえ思ったが、口には誰もしなかった。大体、ガトーの拳骨鉄拳制裁以上に悪い罰がこの部隊に有るだろうか。
ふん、と鼻息も荒くガトーが腕組みをする。あくまでも追求する構えのようだ。
「名乗り出ぬのなら一人ずつ締め上げるまで…。」
そこまでで物騒なことを言い出したガトーに慌てて一人の青年が飛びつく。
「あ、あのさ、ガトー。」
そのコウにガトーの剣幕の矛先が飛ぶ。
「なんだコウ・ウラキ。貴様が犯人か!」
コウは思いきり首を左右に振った。濡れ衣まで着せられてはかなわない。
「違う違う!!」
ガトーと妙に馬が合うことから影で密かに『ガトー番』と呼ばれているコウが俺って連邦軍人なんだけどなー、と思いながらガトーの注意を引く。
「あ、あのさ。名乗り出させるより、昨日の艦長とかの行動探って貰った方がいいんじゃない?ホラ、三人まとめて謎の宇宙線とか浴びてるかもしれないし…。」
恐る恐るながらのコウの提案に、ガトーが思案顔になる。
融通の利かないガトーがコウの言うことにだけは或る程度耳を傾けるので、ガトーが激昂したときの後処理はコウが一手に任されることになっているのだが。
―――俺だってこんな針の筵嫌なんですけど。
心の中で絶叫するコウの前で、ガトーが漸く得心したように頷いた。
「ふむ…確かに一理あるな。」
「だろ?」
説得が上手くいったことにホッとしてコウが胸を撫で下ろす。
コウさすが!とガトーの尋問を免れた面々が思う中、昨日の艦長とメインパイロット二人の行動がトレースされることになった。
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まずは三人の行動を朝から拾い出そうぜ、と誰とはなしに言い始め、全員が口々にそれぞれの目撃情報を寄せる。
「朝…はなんとも無かったよな。誰か三人の内誰かに会った奴居る?」
「確か、クワトロ大尉は夜勤明けだったと思うけど。」
「ああ、そうそう。んでそのまま昼まで詰めて午後の会議に来たんだったよな。」
「艦長はブリッジに詰めっぱなしだったよ。アムロさんやクワトロ大尉とは交代の時の挨拶くらいでしか会ってないんじゃないか?」
「アムロさんの姿は昼まで見かけなかったなぁ…。」
がやがやと言い合いをしているギャラリーにどうやら向こうでの一通りの歓談が済んだらしいアムロが声をかける。
「どうした?」
振り向いたコウが返事をした。
「あ、アムロさん。アムロさん達の昨日の行動をみんなで出し合って、事件の原因を探ってるんです。」
アムロがありがとう、と言った後で罰が悪そうに頭を掻く。
「へぇ…っていうかごめん、俺もあの二人もなんにも覚えてないや。」
「ああ、それは構いません。」
にっこり微笑むコウの向こうで、カトル・ラバーバ・ウィナーがあ、と声を挙げた。
「なに?カトル。」
「あの、ですね。…そもそも三人が揃って若返ったということは、三人共同じ場所に居なければならなかった訳ですよね?」
確率から考えると、他の人間が一人も巻き込まれていないことからしてもそう仮定するのが自然です、と論理的に話を展開するカトルに皆が聞き入る。
「昨日は、クワトロ大尉は夜勤明けから昼まで続く当直シフトで、アムロ大尉とブライト艦長は前日は常勤でした。艦長は早朝にはもうブリッジに居ましたが、昨夜が夜勤に当たっていたアムロ大尉は昼まで自室で休息を取っていた…と、大尉と昼食の席で顔を合わせたシロー少尉が証言しています。」
「あ、ああ。久々にゆっくり寝過ぎて危うく寝坊しかけた、って言ってたよ。一緒に昼飯食べてるとき、さっき目が覚めたって言ってたから…。」
カトルが頷いて話を進める。
「艦長はブリッジに詰めっぱなしで、其処から動いたのは午後の会議と、夕食、途中で休憩を取るために訪れたベンディングコーナーだけです。艦長室にさえ帰っていません。これは、艦橋オペレーターの皆さんが証言してくれます。」
そこではいはい、とシーブックが手を挙げる。
「あ、おれ缶コーヒー買ってる艦長と会ったよ。一人だった。」
「…そうですか。そしてクワトロ大尉とアムロ大尉は会議の後一緒に夕食を取っているのを大勢に見られていますが、艦長はこのとき連邦軍との打ち合わせに入っていて、夕食の時間はもっと後になってしまいました。」
「緊急通信が入ったのよね。…あ、その時一瞬だけ艦長は部屋に帰っていますわ。その後帰ってきて、今朝のミーティングで話があるって皆に伝えるように言われたんですもの。」
エマ・シーン中尉が話に割って入ってきた。
カトルがぴん、と指を立てる。
「そこから考えると、ブライト艦長とクワトロ大尉とアムロ大尉…この三人が昨日顔を合わせたのは一カ所だけなんです。」
言いながら、立てた指をゆっくりと曲げて唇に当て、にこりと微笑んだ。
「…午後にあったモビルスーツパイロットの編成シフト会議。これが三人が顔を合わせた最初で最後の機会です。…このときに何か怪しいことはなかったか、皆さんはそれだけ思い出してください。」
見かけは子供頭脳は大人張りのカトルの名推理に、全員が頭の中で昨日の会議のことを思い浮かべる。
最もドモンのように昨日の会議はそりゃもう久々によく寝た、ってことしか覚えてねー、等という不心得者も中には居たが。
「怪しいといえば…あれくらいか。」
その時、漸くぽつんとトロワが口を開く。カトルが片目を隠した少年に視線を向けた。
「なんです?トロワ。」
トロワが訥々と言葉を紡ぐ。
「いや。カミーユ・ビダンがいつになく上機嫌で皆のお茶くみをしてくれたことか…。」
「おい、それって怪しいのか?!」
思わず問いただしたカミーユだったが、その途端全員に「そういえばおかしい」と突っ込まれて己の人望の無さを思い知るハメになる。
「…そうだよな。カミーユ、何か仕掛けしなかったか?」
疑いの眼差しで尋ねられ、カミーユはどう話をまとめようと頭を回転させながら相棒の名前を出す。
「失っ礼な奴だなデュオ。あの時のお茶くみはそもそもジュドーとの賭に負けて!!」
そこで。
ある意味ロンド・ベルで一番共犯者に向かない男、ジュドー・アーシタが思わぬ所で名前が出て飛んできた火の粉を払うために、慌ててカミーユが綺麗にまとめようとした偽証を覆す爆弾発言をする。
「え、だってアレは元はといえばカミーユが一服盛ろうっていうか…もごっ!!」
「ばか、ジュドー黙れ!!」
カミーユは何を言い出すんだ!と慌てて当てにならない相棒の口を塞いだけれど、時は既に後の祭り。
ジュドーの発言をしっかり聞き取ったガトーとアムロが直ぐに目を三角にして吊り上げた。
「カミーユ・ビダン!!貴様か、原因は!」
「カミーユ、お前…!!修正してやる…!!」
「……三十六計ナントヤラ…ってか。」
「待て、何処へ行く?」
咄嗟に身を翻して逃げようとしたカミーユの襟首を入り口近くでブライトが掴んで引き留めた。ジュドーは既にガトーの逞しい腕にがっちりと捕獲されている。
そのまま、大人勢はカミーユとジュドーにかなりな剣幕で詰め寄った。
「…カミーユ・ビダンとやら。我々に一体何が起こったのかとっくり説明して貰おうか。」
「そうそう、ちゃんと話そうな。…納得が行くように。」
「一体殿下に何を飲ませた。事と次第によっては只では済まさんぞ、貴様達!!」
並んで正座させられ、上からブライトとアムロ、更には背後からガトーに睨まれて、渋々二人の悪戯小僧は口を開いた。
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+++To be Continued.
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