―――こんな再会がしたい訳じゃなかった。
なによりも、あの綺麗な顔の、アムロが太陽の化身なんじゃないかと思った顔の。
その顔での作りつけの笑顔が見たいわけじゃなかった。
第一、アムロの知っているシャアの笑顔というのは、初めて見たときにはお日様が人間になって現れたんじゃないかと思ったくらいぴかぴかで眩しくて。・・・
少なくとも、たった今アムロに目の前で見せているような、お仕着せの、整った、完璧な人形みたいな微笑みではなかったのだ。
式典会場で本年度最優秀の科学者として呼ばれ、国王直々に手ずから受勲を受けたとき、顔を上げたアムロも硬直したが壇上のシャアの方も十分吃驚した顔で引きつっていたのだ。
こんなに早く再会できるとはそれこそ夢にも思っていなかった。多分それは、お互いに。
けれど、こんな再会を夢見ていたわけじゃなかった。
反則だ、とアムロは本当に深く溜息をつく。
これで、夢じゃなく現実だと知ってしまった時点で。
シャアはとてもじゃないけれど、アムロの「家族」になんてなってくれやしないのだ、ということまで一緒に判明してしまったのだ。
それが一体どの位途方もなくて現実味のない夢であったのかということまでも。
変な話だけれども。
涙のひとつぶも出やしなかった。
現実はどこか失恋に似ているんだな、と。恋をしたこともないアムロは妙に醒めた頭で哲学的にそう考えた。
―――"Hello! Orange Sunshine"
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